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*水墨画の世界へ 黄山続編*旅の薦め!vol.10

朝4時半。もちろん日は出ておらず真っ暗だが、殆どの宿泊客は起きて出発の準備をする。

5月と言えども、朝晩は寒いのでカップ麺を食べながら出発。

朝の黄山は真っ青で物音1つしない世界が広がる。

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黄山はたくさんの観光客が押し寄せるが、殆どの人が当日に下山する。前回書いたとおり黄山には66もの峰がある。当然日帰りでは全ての峰は勿論として、最も見るべき景色を見ずして下山しなくてはならない。黄山の西半分には西海大峡谷というエリアが広がっており、この西海大峡谷の景色は世界のどこよりも絶景なのだ。しかしこの西海大峡谷、黄山の峰の中でも奥地、かつ一本道でありショートカットできないため、通過するだけでも約6時間かかる。

山のてっぺんから谷底まで下りまた山頂まで登るこの道は、人もほぼ出くわさず近道も無いため、一度足を踏み入れると自力で歩き切らなければならない。

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こんな感じで山肌に備え付けられた石階段を伝っていく。

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急な傾斜、手すりのない階段もあり、まさにしがみつきながら下る。永遠と下る。膝が笑うとはこのことかと噛みしめ始めたその時野犬が2匹飛び出してきた。タイの北端で野犬に出くわし死にかけたトラウマがあったのでめちゃくちゃ焦る。

だがよく見ると可愛らしい犬だった。

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どうやら谷底にある清掃員用の住処で飼われているようだ。後ろを向くと寄ってくるが、こちらが近寄ろうとすると逃げる。山を降り始めて2時間超誰にも出くわしていなかった不気味さと孤独を癒してくれた。

犬には会えたが人には会えぬまま谷底に到着、そこからはひたすら登る。行けども行けども階段。絶景がなければ諦めてしまうのではないかと思うほど。だが、谷底までの景色とは全然異なる美しい景色を見ることができるので足に自信があるうちに行くのをお勧めしたい。

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谷底からこの小橋まで約2時間半。ここまでこればあと30分で西海を制覇することになる。この小橋くらいでやっと反対側から来た登山客数名と出くわす。彼らはこれから長い地獄が待っているのを知らない。場所によっては怪我人が出てもおかしくないし、怪我をしても救助はおろか見つけ出してくれない可能性もある。

でも、最高。景色で感動するってことを初めて知った。

 

西海を踏破するといつの間にかたくさんの観光客。おまえら西海見んで帰っていいのか?と思いながら下山ルートへ。西海を見た後ではどの峰も物足りないと感じさっさとロープウェイで下りる。この時まだ14時。

2日目は計7時間山を上り下りしたのでまさにへとへと。そのまま上海へバスで帰ることもできたが、今回は様子見ということで、事前に予約しておいた山の麓の宿で午後はずっと寝て、翌朝のバスで上海に帰りました。

また来たいと強く思える場所でした。